World Trip

Cairo, Egypt

Cairo, Egypt
01~02.05.2013

やっぱりピラミッドは見ておきたい。
ということで、エジプトの首都カイロにやってきました。
すごいエネルギーが渦巻く街だった。

ダハブから夜行バスに乗り、
早朝、カイロのバス・ターミナルに到着。
タクシーを探していると、バスで隣だった男性が声をかけてくれた。

「スルタンに行くなら同じ方向だからいっしょに行かないか?」

スルタンとは僕が泊まる予定だった安宿の名前。
彼は日本語を勉強中とのことで、車中いろんな話をし、その中で宿の名前が出たのだ。
エジプトといえば、「世界3大鬱陶しい国」と言われている。
嘘をつかれる、騙されるのは当たり前、と。
カイロに入ったばかりだったし、警戒態勢だったのだが、なんとなく、いっしょに行った方が面白そうに思い、僕はタクシーに乗り込んだ。
すると、
「疲れているだろう。宿でゆっくり休んでカイロを楽しんでね。」
な~んてやさしい言葉をかけてくれた上に、タクシー代まで払ってくれると言う。
流石にそれは、と思い断ったのだが、いいからいいから、と彼は言う。
「シュクラム」(ありがとう)
と、唯一覚えたアラビア語でお礼を言い、タクシーを降りた。

宿にチェックインし、ドミトリーのベッドで彼のやさしさをかみしめながら横になっていると、おもむろにドアが開いた。
なんとそこには、南極クルーズ船で出会い、
ベネズエラはロライマ山を共に登頂し、
さらにはその後のバス移動も共にした、
消化器内科医師のエンちゃんがいたのだ。
「おー!」
お互いに叫ぶ。
彼が女の子だったら、運命を感じるレベルの再会。
彼もちょうどカイロに着いたばかりとのこと。
ピラミッドに行こう、くらいしか思っていなかった僕に反して、遺跡をこよなく愛する彼は、すでにプランを持っていた。
迷うことなくそれに乗っからせてもらうことに。
朝食をとりながら、思い出話に花が咲く。
とはいえ最後に会ったのは、2月末。
まだ2カ月しかたっていないのか。
思い出というには近すぎる。
ずいぶん時間が濃密に流れていることを実感する。

まず向かったのは、「考古学博物館」。
やっぱり世界3大秘宝のひとつである
「ツターンカーメンの黄金のマスク」は見ておく。
それはそれは美しい代物だった。
僕がルパンだったら、盗むと思う。
でも、館内は写真撮影禁止。
さらに言うなら、博物館と言うよりは「史料倉庫」と言う方がふさわしい感じ。説明文はほとんどなく、ましてや英語の表記すらオマケ程度。
これでは楽しめない。
NYのメトロポリタン美術館に行ってから
エジプト文明には興味津津だった。
なのにこれじゃあ、本場の負けじゃないか。
と、思ってしまった。
いずれ大泥棒になることがあるならまず黄金のマスクを盗みに来ると確定しただけでもよしとしなければなるまい。

次に向かうは、
お土産品から日用雑貨まで全てが揃うマーケット、
「ハーン・ハリーリ」。
メトロを乗り継ぎ、乗り合いバスに乗り、到着。
7か月の旅で身に付けたスキル「ネギリ」をフル活用し、
マグネットをひとつ買った。

イスラーム地区の雰囲気は、どことなくベトナムに似ている。
自転車、バイク(原付)の数こそ少ないけれど、交通量も人の数も、街の雰囲気も、熱気も、似てる。
初めての海外旅行のカルチャー・ショックや興奮を思い出す。

次に向かったのは「ズウェーラ門」。
塔に登り、気持ちの良い風を身に受けながら、街を見下ろす。
やっと、この街が身に沁みいり始めるのを感じたのだった。

それにしても、まだ「鬱陶しいエジプト人」には会っていない。
みんな親切に道も教えてくれる。
しかし、そんなにうまくいくはずはないのだ。
次の日訪れた「ギザの3大ピラミッド」で、
やつらは待っていたのだった…。

まず、ピラミッドの感想としては、
「でかい」
「すごい」
「かっこいい」
に尽きる。
4500年前にこれができて、
それから4500年経ってもまだここにある。
途方もない。途方もなさすぎる。
以上。

ピラミッド周りにいた「鬱陶しいエジプト人」を紹介しよう。

・左折野郎
チケット売り場へ向かう道すがら、
いかにもスタッフ然とした態度で
「そっちじゃない、左に曲がれ」
と言ってきたやつ。
なんとなく顔が腹立ったので無視してまっすぐ歩き続けると、もうひとりの、左折野郎より素直そうな顔の奴が、「あっち、ラクダ、乗る?」と言ってくる。
騙すならもう少し統制を取れ。
一瞬でばれてるじゃないか。

・ニセ警官野郎
受付で敷地内に入るチケットを買い、いざピラミッドへと向かう途中のこと。
さも自分は警官ですよ、という顔をして、僕らの手からチケットをムリヤリ奪い取り、ラクダの元へ連れて行こうとしたやつ。
僕らはあとにはついて行かず、叫ぶ。
「チケットを返せ」「ここまで持ってこい」など。
しかし、やつは腹の立つ薄笑いを浮かべ、「お前らが来いよバ~カ」と言う。
結果的にはチケットを奪い返したが、こいつにはカナリ腹が立った。
久しぶりに「ファック」って言った。

・フェッヘッヘ野郎
「日本人か」と聞いてきて、
「そうだ」と答えると、
友人周りと目を合わせて「フェッヘッヘ」とさも馬鹿にしたように笑う野郎。

・しつこいラクダ野郎
ラクダには乗らないと言ってるのに、
「いくらなら乗るか」だの
「あとから乗るか」だの
「40…、20ポンド、10ポンド、5」だの
言いながら、(簡単に値崩れしすぎだし)
ピラミッドと僕の間に入り撮影を邪魔する野郎。

・しつこいウマ野郎
ウマにも乗らないと言ってるのに、
「いくらなら乗るか」だの
「あとから乗るか」だの
「40…、20ポンド、10ポンド、5」だの
言いながら、(簡単に値崩れしすぎだし)
ピラミッドと僕の間に入り撮影を邪魔する野郎。

・警官ゲイ野郎
僕が耳にしてたトルコ石のピアスを見て、僕を同性愛者と勘違いしたのか(そういうもんなの?)舌を出していやらしい動きをさせながら、あっちの小屋でアレをやらないかと、しつこく勧誘してきた野郎。
しかも、本物の警官。
(ちなみに僕は同性愛に偏見はありません)

などなど。
細かいことを言い出したらきりがなくなるくらい、たくさんのこういう人たちがいました。

ああ…、
これは鬱陶しいな、エジプト人。
と思ってしまったよ。

でも、いいやつもいる。
いるんだ!
ザ・ブルーハーツが言ってた通り。
いいやつばかりじゃないけど、
わるいやつばかりでもない。

総じて、エジプトはとても楽しかったよ!
さて、次の国は。
中東に逆戻りして、「ヨルダン」へ!
とても楽しみ。
P.S.
ピラミッドをバックに歌おうと、ギター持って行ったはいいものの、取り上げられてしまって歌えなかった。