World Trip

Dublin, Ireland

Dublin, Ireland
29~31.05.2013

ロンドンを格安航空券で飛び出して、アイルランドはダブリンへ。
ダブリン空港には、イスラエルはエルサレムの宿で知り合ったあやかちゃんが迎えに来てくれてた。スーパーほっとするこの感じ。ありがたいねえ。
当時僕はエルサレムで、今後のヨーロッパのルートを決めかねていた。行きたいところは無限にあるけど、ヨーロッパは国数が多く、ルート決めがとても難しいのだ。例えば、最初に東欧に行ったらそのあと西欧に行くには中欧を通らなければならない。でも中欧にはもう行ってる、とかそういうこと。日数が限られてることもあるし、なるべくダンドリよく行きたい。泉昌之さんの漫画「ダンドリくん」のようにやりたい。そう思っていたわけだ。東欧の音楽には触れたいが、そうなるとUKには行きづらくなる。逆にUKに行けば、アイルランドが遠くない。アイルランドの音楽にも触れたい。ぶつぶつぶつ…。
そんなとき、僕はあやかちゃんに出会った。そして彼女がアイルランドに住んでいことを知り、これも何かの縁かもしれないと、東欧を諦め、アイルランド行きを決定し、図々しくも宿泊嘆願。そして彼女は僕の勢いに負けてくれたのか、OKしてくれたのだった。

それにしても、スピリチュアルに寄りすぎる気はないが、本当に色んな選択のシチュエーションで、驚くほど見事なタイミングでキー・パーソンに出会い、僕は助けてもらい続けていると思う。愛すべき友人たちにまたもや感謝。感謝ばっかりだと気持ち悪いかもだけど、もし僕が誰かを助けるタイミングがきたら、そのときは全身全霊で向かうぜメ~ン。
それにしても思うわけですよ。僕らは日々無数の選択を迫られていて、何を選ぶかはその人次第。でも、時には迫り来る選択肢に気付くことができない時もあると思うわけで。でも僕は、それは嫌だなと思う。それだけは嫌だな、と思う。能動的な選択肢だろうが受動的な選択肢であろうが、自分の意思で、それを選びたい。そんなことを、旅を通して、さらに実感しているわけであります。今の世の中には多種多様なそれぞれの理由で、やりたいことをやれない人、あるいはやりたいことがない人が多いみたい。でも、やりたいことがある僕は、やりたいことをやろうと思っているわけでございました。

前置きがスーパー長くなったけど、アイルランドはダブリンに到着して、そんなキー・パーソンに再会したってところから。
バスで向かった彼女の部屋は全員女性のシェア・ルーム。ブラジル人3人、ボリビア人1人、日本人1人。リビングのソファに寝かせていただくことに。肝心なのは第一印象。彼女の友達として彼女の印象を悪くしないよう僕は南米仕込みのフレンドリーさで、そこらじゅうに干してある下着をなるべく見ないで話しかける。日本にいた頃の僕には、こういうことはできなかったなあ、と懐かしく思ったりもする。(下着の部分ではなく)「ブラジルもボリビアも行ったよ。最高だったよ。」な~んて話から始まって、早めに打ち解けることに成功した。よかった。ひと安心。
ロンドンで身も心も消耗しきっていた僕は、その夜、ヘドロのように眠った。夢ひとつ見なかった。
そして次の日。あやかちゃんは一日空けてくれていて、さらにアイルランド・スタイルの朝食まで作ってくれた。天国 in the house.という感じでございました。アイルランドなのに思ったより気候もよく、身軽に歩きながらいろんなところを案内してもらった。そこら中の芝生で人々はピクニックを楽しんでいて、平和なムードに僕の心も安らいだ。
強烈に印象に残ったのは、まずはギネス工場。ここで飲んだ(酒飲めないから少しだけ)出来たてのギネスの味は、海原雄山でもイエイッって言っちゃうレベルだと思った。
そして、外せないのはアイリッシュ・パブで聞いたアイルランド伝統音楽。バグパイプが鳴るたびに、心は旅情で満たされるのだった。何故そう感じるのかを自己分析してみたんだけど、多分あの音色と音階、ロール・プレイング・ゲームでよく使われてるんじゃないかと思うのね。なんて言うと軽く思われちゃうかもしれない。でも考えてもみてください、少年期から青年期にかけて僕らはあの中でまぎれもなく冒険をしていたわけであって、やっぱり大切な心象風景がそこにはあるわけですよ。
さらには欲望に素直な僕はアイリッシュ音楽家の素敵な皆さんにお願いして、図々しくも自分の曲でセッションさせてもらったりして。最高に楽しかったな~。いい時間だった。とてもほっとする時間を過ごさせてもらった。
あやかちゃん、本当にありがとう。

そんなわけで充実のダブリン1日ツアーを終えて、部屋に戻って、興奮冷めやらず色んな話をして、眠りについたのは朝方。昼に迫るヘルシンキ行の飛行機に乗らなきゃならないのに、結局また寝不足っていう。もうこれは多分、仕方ないんだな、きっと。エネルギーを使いきらないと眠れないっていう、一種の癖?みたいなものなんだろうと思います。そういうひと、なにかものをつくってたりする人たちに多いように見受けられます。

ともあれ。
同じく寝不足の目をこすり空港まで送ってくれた彼女と再会を誓い、ヨーロッパの最後を飾る国、フィンランドへ。
日本で仲良くなったフィンランド人カップルの部屋にお世話になります。
僕の身体にまとわりついて離れなかった無力感に近い孤独感は、少しずつ剥がれ始めていて、今は心が安らぎに向かっている。大切な友達のおかげで。いくら刺激大好き人間の僕でも、こういう時期は今こそ必要なんだと直観でわかる。

なにしろフィンランドの次はインドなんだから…。
(なんかそれっぽいシメ方!笑)