World Trip

Wien, Austria

Austria, Wien
15~19.05.2013

ウィーン。
音楽の都である。
黄金のホールと呼ばれる「ウィーン楽友協会」でオーケストラを見るためにやってきた。
(正月にNHKでやってるオーケストラの演奏をやってる場所。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地)
クラシックに興味はあるけど全く詳しくない僕だからこそ、初体験は最高の場所がいい、と思ったわけです。

非常にありがたいことに、この街には高校時代からの大切な友達の妹が歌の勉強をしながら住んでいて、宿の心配をしなくてすんだのは大きかった。
ヨーロッパの物価の高さは、僕みたいな貧乏旅行者には大打撃だから、本当に助かった。
やっちゃんありがとう。

さて、そんなわけで、行って来ました楽友協会。
指揮者は「ロリン・マゼール」。
さも知った風に言ってみたけど、実は全く知らなかった。
知ってる人にとっては、マジかよ!って人らしい。
演奏はミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団。

演目:
ワーグナー:タンホイザー 序曲
ドビュッシー:海
ストラヴィンスキー:春の祭典

アンコール
ビゼー:「アルルの女」より、ファランドール

いやね、もうね、
ほんっとうに素晴らしかったんです。
何しろ、ダイナミクス。
ピアニッシモからフォルティッシモまでの呼吸と物語のつくりかた。
変化のさせ方。保ち方。
あの長い曲たちを全く飽きさせず聴かせるだけの、曲への理解と把握、そして察知能力。
非の打ち所がないにも程がある。
壊れてしまいそうなパッションの中で、美しさを保つ、その気品たるや。
学ぶべきことの多さに眩暈がした。
さらに言うなら、あんな素晴らしいコンサートが、このウィーンって街では立ち見席で6ユーロ(!)で観れる。
老若男女入り混じり、みんなが高揚した顔で、聴き入っていた。
文化レベルが高いってことは素晴らしい。
国民はきっと誇りを持ちつつ、それとは矛盾するように聞こえるかもしれないけど、常に新しい「すごいもの」を待っているように見える。
だから自国の文化レベルは成長し続ける。
芸術家、音楽家が、正当に評価され、暮らせる街。
かっこいいぜ、ウィーン。

美術館にも行って来た。
グスタフ・クリムトの「接吻」。
本物を見た。
コピー品はいくらでも見て来たけど、印象が全然違う。
美しかった。
なにより、バランスがすごい。
綺麗さと、狂気さとのバランスが、すごかった。
でもどうやら僕は、もっと歪んだものの方が好き。
そういうことにも気付けてよかった。
だからゴッホが好きなんだと思います。
あと、フンデルトヴァッサーも見た。
日本の取り入れ方が面白かったな~。
美術館の都合で写真が撮れなかったのが残念。
でも多分、写真じゃダメなんだと思う。
もし興味湧いた方は、いつか見に行ってみてくださいね。

音楽も生じゃなきゃダメなことがたくさんある。
だから、僕らはライブに来てくれって言うんです。

楽友協会には、実はお昼にもう一回行った。
日本人ピアニストのソロ演奏を聴きに。
演目は全てベートーベンから。
こちらは、あまり面白くなかった。
音楽って、本当に紙一重なんだなあ、と思います。
紙一重、何かが違うだけで、感動したりしなかったりする。
そのときの気分ってだけじゃない、重要な紙一重がある。

実は、彼女が学校に行っている間、じっくりギターを弾くことができて、旅の間じゅう作りためてる曲のピースを見つめ直すことができた。
とても良い時間だったな。
今後のことももちろん考えたり感じたりしながら頭の中で成長していってます。
僕の音楽を待ってくれてる愛すべき素晴らしき皆様。
どうかお楽しみにね。

ともあれ、オーストリアでは、ひたすら芸術したぜイエー。
ヨーロッパに来て、本当に良かった。