World Trip

Barcelona, Spain

Barcelona, Consuegra, Madrid & Cordoba, Spain
04~14.04.2013

モロッコから再びジブラルタル海峡を渡り、スペインへ戻る。
しばらくはモロッコで共に過ごした料理人とふたり旅。
気の合う誰かと何かを共有できるってのは、いいもんだ。
スペインでは、人のあたたかさに、たくさん触れた。
色んな景色も見たし、それはそれでもちろんよかったけど、
なにより人のあたたかさに、感じるものが多い日々だった。
いくつかの思い出を箇条書きにしてみる。
・コルドバで食べたイカスミ・パエリアがゲキウマだった。
料理人曰く、
店頭にパエリアの写真を出してる店はダメとのこと。
パエリアがすぐ出てくる店もダメ。
料理人の目利きで入った店は、
まぎれもない「アタリ」だった。

・コルドバ街歩き中に料理人がiPhone5を盗まれる。
赤ちゃんを抱いた母親に金をくれとつきまとわれ、
腕をつかまれたときに盗まれたと彼女は言うが、
個人的には、ただ落としただけじゃないかとも思う。
そもそも腰に巻いたパーカーのポケットに無造作に
iPhone入れてればあたりま…。
これ以上は言うまい。

・到着前日に大雨だったコルドバ。
川は増水して濁流。
それと青空とのマッチングが、
アマゾンのジャングルを思い出させた。

・コルドバからマドリッドへの道すがら、
大きな牛の看板を見た。
映画「茄子アンダルシアの夏」で見た、あの看板だった。
アンダルシ~ア~、アンダルシ~ア~。

・駆け足で通り過ぎたマドリッド。
ピカソのゲルニカを見た。
箱根の美術館にあるレプリカとは、何もかもが違った。
何が違うのか、考えたけど、
思いの深さが違う、という結論。
本気で込められた熱は、
持続し、集結し、伝染し、拡散する。
写真を撮ることはできなかったが、
完全に心に焼きついた。

・マドリッドにある日本料理店「どん底」。
ここの店主は、日本での飽和した日々でどん底を見て、
新天地スペインでかつての思いを忘れないため、
店名をどん底にした。
というのはただの僕の想像だが、
実にうまかった生姜焼き。
どん底の味。

・風車の村コンスエグラ。
料理人特製サンドイッチと共に、
ただただ穏やかな時間を過ごす。
かつてこの風車がまだ動いていた時代に
思いをはせる。
丘から望む遠くの山には、風力発電が見えた。

・バルセロナの街歩き。久しぶりに財布の紐が緩む。
直観でこれしかないっていう靴を見つけてしまい、
久しぶりの高い買い物。(180ユーロ)
大切に大切に履こう。ローマの休日ならぬ、
バルセロナの休日。

・帰国する料理人を見送り、
日本で出会ったスペイン人のサオリと会う。
恋人のニゴは画家。
ものすごくピースフルで、あたたかく、深いふたり。
築100年のアパートに滞在させてもらう。

・ガウディ建築の振り切れ具合に脱帽。
特にサグラダ・ファミリアは、
今までに見た世界の教会のどことも違った。
最も好きな建築物、1位にランクイン。
外側もそれはそれは素晴らしいが、中に入るべき。
完成は2060年。まったく途方もない。
また何年後かに来たら、
全然違う建物になっているのだろう。

・ニゴのアトリエに訪問。
芸術家たちが自分の表現のために
日夜自分と向き合う場所。
ものすごい刺激をいただく。
ニゴの絵は、まるでニゴそのもの。
僕の音楽は、どこまで僕そのものだろうか。
いつまでも変化し続けていきたい。
このアトリエで、仲間と音楽をつくってみたいな。

・ニゴとサオリと行った、伝統的なスペインのバル。
街角で聴いた、ニゴの即興の歌。
大きなレゲエパーティで朝まで踊った夜。
サオリの不思議で素敵なダンス。
つたない英語とスペイン語で、
ニゴと表現についての話をした夜。
ふたりの部屋に住む猫、ガンダムとピカ。
懐いてくれてうれしかった。

・スペインに来てよかったです。