World Trip

Roraima, Venezuela

Roraima, Venezuela
21~28.02.2013

世界遺産の番組で見てからすげえなあと思っていた。
でも、今回の旅で来るつもりはなかった。
日本にいる時には行けるとも思っていなかった。
どこの国にあるのかもわかってなかった。
でも行ってきちゃいました。

~以下wikiから抜粋~

【ロライマ山】

標高: 2,810 m
所在地: ベネズエラ、ガイアナ、ブラジル
位置: 北緯5度08分36秒、西経60度45分45秒
座標: 北緯5度08分36秒 西経60度45分45秒
山系: ギアナ高地
種類: テーブルマウンテン
初登頂: イム・トゥルン、ハリー・パーキンス(1884年)

ロライマ山(ロライマさん、スペイン語: Monte Roraima [?monte ro??aima], ポルトガル語: Monte Roraima [?mot?i ?o??ajm?])はギアナ高地のベネズエラ、ガイアナ、ブラジルの三つの国境にまたがっているテーブルマウンテンである。

ベネズエラのカナイマ国立公園内に位置し、標高 2,810 メートル。ロライマはペモン族の言葉で偉大という意味。サバンナの真中に、1,000 メートル近く切り立った壁は、遠くから見ると陸に浮かぶ軍艦にも形容される。各大陸のプレートテクトニクス活動で、ギアナ高地付近は移動の回転軸にあたると考えられている。このため火山噴火や地震などの地質学的な変化の影響をほとんどうけず、ゴンドワナ大陸の頃の、「地球では最古の岩盤」がそのまま残っていると言われている。

下界を拒絶するように熱帯のジャングルにそそり立つこの山は、数世紀にわたる探検家の探索によって、頂上に上るルートが発見されている。山頂には、一面に水晶が落ちている「クリスタル・バレー」や、岩に穴があいた「ベンターナ」などもある。山頂の一角には、ベネズエラ・ブラジル・ガイアナの国境3つが交わるトリプルポイントが存在する。

【気候】
カリブ海からの湿った空気が常に入り込んでくる。このため、常に湿度が高く、頂上の気候は目まぐるしく変化する。大雨が降ったり、晴れたと思うとすぐに濃い霧がでたりと、同じ天候が10分と持たない。

【生態系】
頂上には荒涼とした岩だらけの世界で、熱帯にありながら 3,000 メートル近い高さと苛酷な環境は樹木の生育を許さず、降り続く雨は植物に必要な土を洗い流してしまう。アイスクリームを舐めている猿や象の形をした奇怪な岩は、激しい雨と吹きすさぶ風が岩を削り取って、できあがったものである。このため土壌から栄養分を取れないためか、食虫植物が数多く自生し、水があれば苔類は生きることができるため、スポンジのように水を蓄え、食虫植物が育つように場所を提供し、生育している。また、水かきがなく、泳ぐこともはねることもできず、卵からオタマジャクシにならずカエルのままふ化するカエルの一種で体長 4 センチメートル程度の「オリオフリネラ」が数多く生息している。このオリオフリネラは、隣のクケナン山とロライマ山にしか生息していない。このため、2つの山は昔は一つではなかったかと推測されている。

【歴史】
記録に残る初登頂は、1884年12月18日、イギリスの植物学者であったイム・トゥルンとハリー・パーキンスによる。しかし、ヨーロッパ人ではじめてロライマを発見したのは、ドイツ人の探検家、ロバート・スコムバーグで1838年のことである。
初登頂を行ったイム・トゥルンはイギリスに帰国後、その時に撮影した写真を用いた講演会を開く。その聴講者のなかにたまたま、「アーサー・コナン・ドイル」がいた。ドイルはロライマの風景に感激し、自身のSF小説『失われた世界』の舞台にした。

~以上wikiから抜粋~
どんな場所なのか、少しは伝わったことと思う。

そう。
今回の目的は。
「ロライマ」5泊6日トレッキングです。

仲間には、なんと医者がふたり。
キューバで出会いサルヴァドールで再会した
「消化器外科」サトシくん。
南極で出会いアマゾン川で再会した
「消化器内科」エンちゃん。
なんちゅう偶然かね、
僕が旅に出る前、再発やらかした「急性膵炎」
は、見事に彼らふたりの専門分野。
旅の途中、これほど心強いことはないよね。
さらにふたりは僕のひとつ上で同世代。
ドロップアウト医者ってやつだ。
話を聞いてると、共感することばかり。
やっぱり思春期なんだよ、俺たち。
それにしても…、
ミュージシャン、医者、医者のパーティ。
変なの。

ロライマ山は時期的にちょうど乾季だって言うし環境もバッチリ、
これはもう、圧倒的な自然を拝みに行くっきゃない、というわけです。

さて。
これを読んで行く気になっちゃった人向けに、
ブラジルはマナウスからロライマ・トレッキングへの
簡単な道筋を、非常に大雑把だが記す。
マナウス発

ボア・ヴィスタ行長距離バス

ボア・ヴィスタ着

サンタ・エレナ・デ・ウアイレン行乗合タクシー
(ひとり30レアル)

ブラジル出国イミグレ
↓(徒歩)
ベネズエラ入国イミグレ

サンタ・エレナ・デ・ウアイレン着

ツアー会社へ徒歩移動
(Backpacker Tours)

Backpacker Toursは他にもあるツアー会社と比較して、少し割高。
しかし、他よりメシがうまく、サービスがいいという噂を耳にし、ここに決めた。
気になる値段は、4,800ボリバル!
(シュラフ、マットのレンタル、メシ、テント設営、
ガイド、ポーター込み(当たり前だが自分の荷物は自分で持つ必要あり))

ちなみに、現在の正規レートは…

1USD→6ボリバル

しかし、
ありがたいありがたい闇レートちゃんを使うと…

1USD→20ボリバル

酷い差。
笑っちゃうでしょ。
なんでこんなことになってるかの説明は割愛するけど、
興味ある方は調べてみて。面白いから。
まあ、僕もあんまりわかってないんだけど。

簡単に言えば、
正規レートじゃ「800ドル」取られるところを、
「240ドル」でツアーに参加できちゃうってわけです。

僕らは到着した次の日22日にすぐにでも出発したかったんだけど、
23日発でないと行けないとのことで、
22日は「Gran Sabana」へ日帰りツアーへ。
これはこれで滝の裏側で遊んだり、
本当に楽しかったんだけど、ロライマには比べられず。
割愛します。
今回は極端に長いな…。
でも書き切らないと気持ち悪いから一気に書くよ。
興味ある人だけついてきてください。

☆初日23日

朝7時起床。最後の荷物確認。
8時、ツアー会社前のレストランで朝食。
しばらく誰とも連絡取れないので、数人に連絡。
9時半、ツアー会社のジープに乗り込む。
何度もある検問にいちいちビビりながらも何も起きず、
12時、ベース・キャンプに到着。
簡単な昼食後、トレッキング、スタート。
まずは割と平坦な道を12km歩く。
遠くに見えるロライマは、ガスと雲に隠れている。
この野郎、着くころには晴れてやがれよ。
天気にも恵まれ、さして疲労もなく、
16時、第一キャンプに到着。
ここで、ロライマから今降りて来たという
日本人観光客と出会う。衝撃的な話を聞いてしまう。
なんと、現在のロライマは「雨季」だと言うのだ!
4年前にズレたんだと。
ズレたて。
笑わせてくれるぜ、ロライマ。
でも俺たち3人は、旅が始まってから重要ポイントで
一度も雨に降られてない男たち(ホントなんです)。
雨季なんかに、雨季なんかに負けやしねえぜ!
なんてカラ元気と共に一日目は終了。
そうそう、うまいと言われてたメシは、
うん、うまかったけど、これ量が少なくない?
という感じ。明日に期待。

☆2日目24日

朝5時起床。
テントが暑く、あまり寝られなかった。
昨日出会った日本人観光客に別れを告げる。
それにしても昨夜はかなり雨が降った。
今日は川を歩いて渡るとか言ってたけど大丈夫なのか。
誰もがそれを不安に思いながら、6時半、朝食。
今回は満足度高い!うまいし満腹になった。
(というか、我々がやたら食うと言うことに
ガイドが気付いた)
そして7時半、いざ出発。早速川を渡る。
結果から話すと、生きて川を渡れた。
確かに渡れたわけだけど、死んでもおかしくなかった。
荷物を背負って、深さは胸まであろうかという濁流を
ロープ一本頼りに渡る。山岳部元主将のエンちゃんも、
「これはありえないよ」と言っていた。
なによりありえなかったのは、
僕ら3人が渡り終えたあと、
他の連中は荷物をボートで運んでもらってたこと。
ガイド、殴るぞ。
その後、どでかいバッタを見たり、綺麗な花を見たり、
近づいてくるテーブル・マウンテンにため息ついたり、
つつがなく12時20分、第二キャンプへ到着。
距離にして10km。高度は700m上げた。
ギターの無事を確かめがてら、
医者ふたりのために何曲か歌う。
そんな折、ついにガスが晴れ、
全貌を表したロライマ。写真を撮りまくる。
昼食も夕食も素晴らしくうまかった。
尻あがりのツアーな気がする。量も申し分なし。
明日は、ついにあのテーブルの上に行くのだ。
まるで前夜祭のようではないか。
最後の晩餐にならないように気をつけよう。
今のところ大した雨にも降られず、
ついぞその姿を見せたロライマに「そのまま頼むよ」と願い、
手を合わせたままことさら深い眠りにつくのであった。

☆3日目25日

朝5時半起床。
テントを出て驚く。
素晴らしい天気!ロライマくっきり。
我々は増長する。
まるで、ロライマが我々を待っているようだぜベイベ。
興奮しながら6時半、いざ出発。
しかし、悪路。岩だらけ、苔だらけシダだらけ、
水だらけ、ガスだらけ、得体の知れないものだらけ。
いつか行った屋久島に、とても似ていた。
でも、やっぱり何か違う。そういうオーラがある。
これこそが、ロライマなのだろう。
いよいよ秘境へと向かうのだ。
大きな岩をひとつひとつ、登る。
かと思いきや下る、そして、登る。
汗が吹き出る。息も荒くなる。
ハアハアが、ゼエゼエに変わる。
ゼエゼエが、ヒイヒイに変わる。
遠くからも見えていた二本の白いスジが近づく。
すなわち滝がふたつ。こいつらをくぐる!
文句無しにズブ濡れる。ポンチョくそくらえ。
こんなんじゃ意味ねえ。ビレバンの店員の嘘つき。
しかし、あの立ちはだかっていた壁が、
ついに、ついに、なんてことない高さに見えてくる。
気付けば、僕らはテーブル・マウンテン
「ロライマ」の上に立っていたのだった。
見事な快晴。
肌寒いくらいの空気が、逆に心地よい。
シータとパズーが、ついにラピュタに着いたあのとき、
きっとこんな気分だったのではないだろうか。
例によって、僕は叫ぶ。
ガオー!
恐竜が突然岩陰から顔を出してもおかしくない。
見たことのない景色。
そうだよ、こういうことなんだよ。
一緒に登ったアルゼンチン人もベネズエラ人も
オーストリア人もブラジル人も日本人も、
そんな顔をしていた。
しばしの休息の後、
「ホテル」と呼ばれるキャンプ地へ向かい、
荷物を置く。空はずっと晴れてる。

自分と同じ高さを小さな雲が流れて行く。
みんな、まるでリゾートみたいに寝っ転がって、
心地よい太陽と風を感じていた。
そして、スペシャル・ランチ!
まさかのメロンが出てきたんだよ。
ロライマで、メロン。うまかった!
食休みのあとは、そこら中クリスタルだらけの
「クリスタル・バレー」に行ったり、
ここにしかいないカエルを観察したり。
テーブル具合がよくわかる場所で夕陽を見たり。
僕は実に満足げにホテルへ帰り、
打ち解けてきた各国のみんなで
これまたスペシャルなディナーに舌鼓を打ち、
のび太のような早さで眠ったのだった。

☆4日目26日

今日もテーブル・マウンテンで一泊。
昨日に引き続き、さあ、どれだけ晴れてるかな、
とテントを這い出ると、お見事な雨。
ロライマなめんじゃねえぞ、と
ベネズエラ汚職警官にアッパーされた気分だった。
さらにもうひとつ問題が。
ウユニ、ラ・パス、クスコ、マチュピチュなどなど、
数々の高所を越えて来た我々日本人3人には
大したことのない高度ではあるが、
数人の外国人に2700mはきつかったようで。
この日から体調不良を訴える者が多くなる。
胃の不調、風邪、下痢。
それでも、雨の中ガイドは決行を言い渡す。
何故なら、我々日本人が断固として「ベンタナ」(窓)
と呼ばれる場所に行きたがるから。
ここは特に気流が渦巻く場所で、大抵ガスだらけ。
雨が降ってるんだから、どう考えてもろくに
見れない事はわかってるのに、
「行かずに見れないより、行って見えないほうがいい」
我々は、それはもう、「しつけえなこのチノ」と
思われても仕方のないくらい、
事あるごとにベンタナベンタナ言ってきた上に、
こんな朝にも重ねて言いまくっていたのだ。
そうして向かったベンタナは、やはり霧の中。
あんまり見えなかった。
けど、それはそれで楽しく、
日本人ばっかり満足げに朝の散歩を終え、

テントに戻ったのだった。
そして今日も豪華なランチ!
やるじゃん、ポーターさんたち。チュッ。
その後数人が胃痛でダウン。
日本人が残飯処理。日本人は飢えてるって
イメージつけちゃってたらごめんなさい。

そして、ランチのあと。
僕は、ついに動き出す。
最大目標をまだ果たせていないのだ。
そう、動画撮影である。
昨日の夕陽は、早めにかかってしまったガスの影響で
撮影にまで至れなかった。
再びカメラ、三脚、ギターを持って、
昨日の夕陽ポイントへ向かったものの、雨。
今日のディナー前に予定されている、
ロライマ最高所登頂。
もしこいつが雨だったら、
ここまでギターを持って来て、
俺は動画を撮れないことになる。
しかし、神は我らに微笑んだ。
ロライマ最高所にて、見事な天気の中、
動画を撮ることに成功したのだ!
是非こちらをご覧いただきたい。

http://www.facebook.com/photo.php?v=450248991714557

素晴らしい景色に出会え、一発で動画を撮り、
あとはゆっくり、この世なのかあの世なのか、
それともその世どの世なのか。
境界がわからなくなる景色を見ながら、
一服を楽しみ、ついに、
僕まで風邪を引いたのだった…。

☆5日目27日

本日の予定は、下山。
第一キャンプまで一気に下る。
いい映像撮れたんだからもういいだろ、
ぐらいの感じで、ロライマは夜からひたすら
雨が降り続いている。
つまり、難関の滝、川、両方が
かなり危険だということを意味する。
しかも、今の僕は明らかに熱がある。
あったか布団に潜り込んで漫画でも読みたい。
そんなものはない。
行けるのか。
行くしかないのだ。
だって、今日は下山日だからね…。

そうして、僕らは行くとこまで行った。
というか、行きすぎた。
第一キャンプどころか、
ベース・キャンプまで戻ったのだ。

狂ってるのか、とお思いだろう。
説明する。
今のこの体調で、しかもびしょ濡れの服で、
テントに泊まったりしたら、風邪は悪化し、
場合によっては今後の旅に影響が出ることも
あり得る、との判断から、
今日のうちにホテルに帰って、
熱いシャワーを浴びて、布団で寝よう、
ということになったのだ。
濡れた服もランドリーに出せる。
医者の二人も付き合ってくれた。
それにしても、本当に、過酷だった。
3日かけて登った場所から、
1日で降りてくるのだ。
そりゃあ過酷だ。
30kmは歩いただろうし、
岩場の下りで足はおかしくなったし、
滝では取り返しつかないくらい濡れたし、
川では流されかけた。
ベース・キャンプについたのは17時半。
間に休憩はあったものの、
風邪と熱で朦朧とする中、12時間歩き切った。
この経験は、今後の人生でも

何かに生きるのではないだろうか。
(ちなみに熱いシャワーは出なかった)

☆6日目28日

風邪は悪化した。
さらに、とんでもない筋肉痛が襲った。
でも、キャンプで泊まったら
もっと悪化していた。はずだ。
そう信じなきゃやってられん。
別料金払ってまで戻ったのだ。
休めるだけ休み、なんとか準備を整え、
ついに、危険で有名な
ベネズエラ→コロンビアの陸路へ漕ぎだす。
結果的には、無事コロンビアに着けた。
でも、恐ろしいこと(面白いこと)が
たくさんあった。
移動時はカメラを出さないことにしてたので
写真はないけれど、日記をつけてたので、
近日中にまとめてアップしたいと思う。
同じルートを行く予定の奇特な方は、
是非参考にしてほしい。

最後に。

今回のトレッキング、荷物を極限まで研ぎ澄ました。
よっていらなかったものはなかったのだが、
あってよかったなってものをご紹介。

・ギター
どこに行くにも持って行くって決めたんだからしょうがない。
おすすめはしない。当たり前だけどかさばるので。

・トレッキング・ブーツ
世界最南端ウシュアイアで買ったGORE-TEXのブツ。
スニーカーじゃ死ぬかも。

・携行食品
バテないための必需品。
ちょこちょこパクつくのだ。

・ヘッド・ライト
これもないと死ぬかも。
18時には暗くて、大体星は見えないから。

・虫よけスプレー&クリーム
ロライマのふもとには「プリプリ」という
冗談みたいな名前の虫がいて、
こいつにみんな苦しめられる。絶対必要。
あっても刺されるけど。軽減軽減。

・非常時用浄水器
エンちゃんが同僚に旅に出る前もらったという便利品。
いつも安心してその辺の水を飲めた。

・でかいビニール袋
ツアー会社で何枚でもくれる。
ギターを直接カバーし、
ケースの上からもさらにこれでカバーした。

・薬各種
僕は葛根湯を持って行った。

・絵はがき
ツアー会社で安く買える。
山頂で大切なあの人にいかがですか?

【重要】なくてこまったものリスト

・まともなレインウェア上下
やすもんのポンチョじゃ痛い目見ます。
これを日本に置いてきたせいで、僕は風邪を引いた。

・携行食品
食べ過ぎてすぐになくなるんすよ。

・四次元ポケット
あればいいのにね。